これからの未来を描くであろう、最新のトレンドニュースを先取りしてお届けする「さきトレ」。今回は、動く3Dアバターを高速で自動生成するプラットフォーム「ANATOMe™(アナトミー)」をご紹介します!
これまでの3Dスキャンといえば、3Dプリンターに代表されるような「立体物をデータ化」し、造形物を手軽に作ることを可能にする技術でした。同技術を活用した、立体のフィギュアを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
「ANATOMe™」の3Dスキャンは、静的なカタチではなく、動的なカタチでのデータ活用を可能にするもので、対象もモノではなく、主に人間です。
専用のスキャンブースで全身を3Dスキャンし、人体の22箇所の関節を検知。このデータを基に、さまざまなコンテンツに合わせて、“動く3Dアバター”を自動生成することを実現します。さらに、高速かつ高解像度であることも大きな特徴のひとつです。
こうして誕生した“動く3Dアバター”は、デジタル空間上で、どんな動きも自由自在に表現することが可能です。たとえばダンス、スポーツ、エクササイズなど、活用の幅は非常に広いものです。
なかでもBAEの注目は、すでにさまざまなイベントで利用され、集客に効果を発揮している「Dancing ANATOMe(ダンシング アナトミー)」。自身の3Dアバターが、キレキレのダンスを披露してくれるというユーモアあふれるものです。
他にもエンターテインメント領域では、新たな演出手法としても「ANATOMe™」の技術が利用されています。
人体センシング技術とプロジェクションを融合し、最先端テクノロジーによる映像演出を行った舞台公演「源氏物語音楽絵巻 ~儚き夢幻~」では、演者の身体に取り付けたセンサーにより、体の動きのリアルタイム三次元データを舞台上で取得。体の動きに合わせたCG映像を実現しています。さらに、奥行きを感じさせる立体的なプロジェクションを組み合わせることで、観客に深い没入感を与えることに成功しました。
「ANATOMe™」を開発した株式会社ワントゥーテンは今後、全人類の3Dアバターを獲得・蓄積し、ユーザーの希望に応じて活用できる未来を目指していくそうです。
もし実現すれば、子どもの成長記録を3Dアバターとして残すこともできますし、遠隔地にいる友人と3Dアバターを介して、VR空間で会話を楽しんだり、故人とホログラムで対話したり、さらにはECサイト上で、実寸サイズでのバーチャルフィッティングも可能になるなど、3Dアバターを活用した“まるで映画の世界のような体験”が現実のものになる可能性もあります。
同時に、3Dアバターを活用した新たなサービスや、個人の3Dアバターを介した、新たなアプローチ法も生まれるでしょう。少し先の未来では、私たちが想像もしなかったような生活が“当たり前”になっているかもしれません。