2017.12.04

流行を創り出すインフルエンサーのフォトジェニックなテクニックとは

インスタジェニックを実現させる3つのKEY_#クリスマス2017

クリスマスシーズンに入り、街中にはフォトジェニックな装飾やスポットがあふれ、
その華やかな瞬間を切り取り、SNSで発信・共有している方も多いのではないでしょうか?
今回は弊社クリエイティブセンターで女性目線のプランニングやソーシャルメディアPR業務に携わる足立が、インスタ映えのフォトジェニックテクニックを中心に取材させていただきました。
インタビューさせていただいたのはVERY的インフルエンサー大賞2017にも選ばれ、
様々な企業のプロモーションでも活躍されているTokyo Flamingo代表の久林紘子さん。
2017年度色々な案件でコラボレーションさせていただいた久林さんに最新トレンドを創り出すインフルエンサーの視点から、すぐに実践できるテクニックを教えていただきました。

目次

シーズンイベントは「インスタ映え」のチャンス

今年の流行語大賞を受賞した「インスタ映え」、また「フォトジェニック」という言葉も耳にする機会の多かった2017年。街中のフォトスポット、イベント装飾、レストランのメニュー、コンビニで売られている商品など、ありとあらゆるものが「インスタ映え」を目指して設計、デザインされています。特にクリスマスなどのシーズンイベントは、絶好の撮影チャンス!企業にとってもシーズナルイベントをうまく活用することで、SNSを通じてコミュニケーションを発信できる絶好のタイミングでもあります。

Tokyo Flamingo代表の久林紘子さん

●“インスタジェニック”を実現させる3つのKEY

KEY1 #ウオールの世界観 ~カラーリング~

足立

フォトジェニックな世界観で日々様々な発信をされていますが、インスタグラムを活用されるにあたって大切にされているポイントは何でしょうか。

久林さん

まずはウオールの世界観をいかに統一するかだと思います。
特にカラーリングはイメージを印象づける重要な要素なので一番大切にしています。そのために意識しているのが‘白’の演出です。
例えばフードを撮る際は、同じ場所で、同じ朝の自然光で撮るなどの工夫をしています。
蛍光灯の下で夜撮るのと、自然光で撮るものが混在してしまうと、明度や彩度も変わってきて、ウオールの統一感がなくなってしまうためです。
フィルターに関してはその時代の流行りがあって、いま、ピンクっぽい加工が流行っていても、それが数年後には廃れて古くさく感じてしまう可能性があります。ですから私は極力、加工はせず、あくまでも自然に美しく見える程度にして、いつの時代になっても古びないことを心がけています。

同じインスタグラム内でもコンセプトによってカラーリングを統一した設計

KEY2  #ストーリー設計

足立

単純に目の前にある「もの」を物撮りされているだけでなく、「もしかしたらこういうストーリーがあるのかな」というその先の“ものがたり”を連想させるような写真が多いですよね。

久林さん

カラーリングの次に大切にしていることは、ストーリーの設計です。
コンセプトを決めた上でコーディネートしていきますが、見る人が自由にイマジネーションし、自分なりの“ものがたり”を描いてもらえるような、そんなストーリーを意識しています。そのためにも、「余白を上手に使う」ことが大切で、一枚に要素を詰め込みすぎず、あえて一部分だけ切り取ってみたり、余白を残したりして、いい意味での“隙”をつくるようにしています。

KEY3 #ハッシュタグ活用法
   ~「埋もれない」ためのテクニック~ 

足立

インスタグラムといえばハッシュタグというイメージがありますが、
投稿が埋もれないようにするためのテクニックはありますか。

久林さん

テクニックとしては、あえてニッチなハッシュタグを選ぶという方法もあります。例えば、ホームパーティーというテーマで投稿する場合、ハッシュタグは「#ホームパーティー」「#ホームパーティ」と語尾が異なる2種類のハッシュタグがあるんですよね。
「#ホームパーティ」のほうがハッシュタグ数が多いので、一見そちらを入れたくなりますが、同じテーマの中で埋もれてしまう可能性もある。
あえて、「#ホームパーティ」という、ハッシュタグ数こそ少ないけれどリーチする可能性が高いほうを選ぶ、または両方のハッシュタグをつけるのも有効ですね。
特に人気のポストはハッシュタグ検索した際に上部に表示される「人気投稿」という限定9個の枠に掲載されます。この9個の中に入るとフォロワー拡大にもつながりますが、人気のハッシュタグで上位を獲得するのは相当難しい。
だからこそ、少しニッチなハッシュタグに照準を合わせて、その中で上位を目指してみるというのも密かなテクニックの1つです。

ニッチなハッシュタグの事例
久林さん

あとは海外に向けて発信するなら和製英語の「#homeparty」よりも「#potluckparty」「#houseparty」等にしてみるなど、誰に何を届けたいか考えることが大切かなと思ってます。

2017年のトレンドはシンプルモダンなクリスマス

足立

今年のクリスマスで手掛けた事例を元に、スタイリングのコツやインスパイアの元などをお聞かせください。

久林さん

今年、商業施設ラゾーナ川崎のクリスマスビジュアルを手掛けました。
2017年はオトナの「シンプルモダンなクリスマス」が、ブームとなりつつあります。今までの緑・赤といったいわゆる定番カラーだけでなく、ホワイトで統一したカラーリングや、北欧風のちょっと木のぬくもりがある感じですね。全体のテーマは、今年の流行に沿った「シンプルモダンなオトナクリスマス」を意識しつつも、商業施設という場所柄、ファミリーやお子さんも楽しんでいただける世界観を大切にしたいと思いました。
また手の届かないクリスマスではなく、たった一手間加えるだけで些細なオブジェも洗練して演出できるような、誰しもが自宅やホームパーティで簡単に取り入れたくなるコーディネートを大事にしてみました。

『LAZONA LIFE』winter Vol.7ラゾーナ川崎プラザ タブロイド
オーナメントやリースを 「飾る」ではなく「置く」という新発想。自宅にあるなにげない小物と組み合わせるだけで、インスタ映え
足立

クリスマスだからといって特別なものを揃えなくてもそこにある空間を活かしながら、ワンポイント添える。これだけでインスタジェニックにつながってくるというアイデアは参考になります!

久林さん

そうですね。だからあえて今回は、クリスマスツリーは使っていません。
忙しい時期にも簡単にクリスマスを楽しめるようなイメージで、オーナメントは飾るよりも置いちゃうとか、現在のニーズを意識した時短テクニックの要素も入れてみました。

冷凍食品専門店「Picard」のカタログのスタイリング中
足立

フランス生まれの冷凍食品専門店として女性の間で大流行中の「Picard」さんの「クリスマステーブル」のスタイリングもされていますが、フードスタイリングのコツは何でしょうか。

久林さん

撮影の際は、シズルアングルを探します。フードも角度によって表情が違うので、フードスタイリング並びに角度や撮り位置に気をつけます。
動きや臨場感、その場の雰囲気が伝わるように、完璧なセッティングではなくわざと食べかけっぽく見せたり、パーティーの途中のような雰囲気などあえてアットホームなクリスマスシーンを想像していただけるような演出を意識しています。

Picardタブロイド紙『Picard Journal Vol.4』  
足立

企業ブランディングやプロモーションの場面においても、シーズナルイベントに合わせ、独自のハッシュタグを設計し、そこを軸にPR等の拡散を狙ったコミュニケーションのニーズが増えてきています。
 ハッシュタグ1つをとっても、誰にどんなメッセージを届け、どのような文脈で発信していきたいか?によってその設計も柔軟に変えていくことが重要ですね。

久林さん

インスタジェニックを演出するコツを3つのポイントに絞ってお話しさせていただきましたが、あくまで表現ツールの1つに過ぎないので肩肘はらずに楽しみながらインスタライフを送るのがベストかなと思ってます。
例えばクリスマスなら、手軽でシンプルな飾りつけをしてみたり、ワンポイントいれるだけでもアクセントになり、素敵な写真を投稿することができます。
DIYで差別化をはかるのもよいですし、思い思いのクリスマスを楽しんでほしいです。

ストライプインターナショナル株式会社様『koe』×『Tokyo Flamingo』共同開発パーティグッズ活用 "Christmas Party”ビジュアル  

久林 紘子

パーティー&空間スタイリング事業の“Tokyo Flamingo”で代表を務める。ヨーロッパやファッション業界で培った独自のセンス、色彩・バランス感覚を活かし、ParisとNYのUpper Eastが混ざったようなフレンチシックなテイストの中にエッジを効かせたスタイリッシュな世界観を得意とする。企業プロモーションや雑誌やカタログ、CMの総合空間スタイリング、コーディネート等多領域で活躍の場を広げ、2017年にはVERY的インフルエンサー大賞を受賞。

インタビュアー

足立 麗奈

電通テック クリエイティブセンター

化粧品・アパレル・日用品・食品メーカー等を中心に、女性の様々なライフスタイルやサービスを起点としたコミュニケーションプランニングに携わる。現在は、ソーシャルメディアにおけるPR業務の領域にも注力している。

TOP画像:『VERY』2016.12月号(光文社)「私たちのクリスマス。」
サムネイル画像:ストライプインターナショナル株式会社様『koe』×『Tokyo Flamingo』共同開発パーティグッズ活用 "Christmas Party”ビジュアル

Written by:
BAE編集部