「VR元年」と呼ばれた2016年から始まり、最近では「VRカフェ」や「VR体験イベント」なども続出、益々盛り上がりを見せるVR業界。VRコンテンツをビジネスシーンで利用してみたいという企業の需要も増えてきていますが、実際にどのような活用事例が考えられるのでしょうか。アイデア次第で、さまざまなシチュエーションを再現できるVR。ビジネスやプロモーション活用のヒントをお届けします。
仮想現実空間を通じて、臨場感あふれる擬似体験ができるのがVRの特徴。
例えば、こんなシチュエーションはいかがでしょうか。
日本の独自文化をVRで体験! 通勤電車の車内密度をリアルに再現!?
日本ではおなじみの朝夕の通勤ラッシュの光景は、外国人の目にはとても奇異に映るようです。人の波に揉まれる、あの密度をVRで再現します。
実際にラッシュの電車に乗るのは抵抗があるけど、擬似的に体験してみたい、日本独自の文化?に触れたい、という外国人にぴったりのインバウンド向けコンテンツです。
どんな風に話をするの? 採用面接の雰囲気をいち早く体験
就活生にとって、面接は勝負の舞台。ピリピリしているのか、和気あいあいとしているのか、VRでその場の雰囲気も含めて擬似体験。事前に空気が分かれば、対策もできるというものです。企業にとっては、自社の雰囲気を事前に知ってもらうことで、エントリーを増やしたり、マッチングをはかる効果も期待できるかもしれません。
「右手に見えるのは〜です〜」バスガイド育成・練習コンテンツ
乗客の皆さんを意識しながら、車窓から見える左右の景色をご案内。全方位に注意を払って案内をするバスガイドさんは大変なお仕事です。
そんなガイドさんの育成に、VRを活用してはいかがでしょうか。実際にバスの中にいるシチュエーションを再現して、本番さながらのトレーニングを可能にします。
最近では動物園も、お客さんが飽きないように、色々と創意工夫を凝らしていますね。VRを使えば、百獣の王ライオンと同じ檻の中に閉じ込められる、臨場感あふれるシチュエーションを擬似体験することも可能です。
ライブ配信映像で、リアルタイムなライオンの状況と同期すれば、怖さも倍増!? 話題のパンダもより身近に感じられてかわいさ倍増!?動物園や水族館の新しいコンテンツにいかがでしょうか。
息遣いや細かな手の動きまで! 職人技の世界を間近で?体験
長い歳月を経て培われた匠の技。職人たちの一挙手一投足をVRを利用して間近で見学するコンテンツはいかがでしょうか。
後継者不足に悩む技術の職人育成にも利用できるかもしれません。
いかがでしたでしょうか。
思いのままにアイデアの風呂敷を広げているように感じたかもしれませんが、いまご紹介したようなVRコンテンツは実は誰でも簡単に作成することが可能なのです。高価な機材や、高度なノウハウがなくても、手軽にVRをビジネス利用できるサービスが多数登場しています。
空間性、実在感、没入感が魅力ですが、それに加えて、目に見える以外の情報も付け加えることができます。
例えば、「InstaVR」というVR作成ツールは、専用のアプリが必要なく、Webブラウザ上で誰でも簡単にVRコンテンツを作成することが可能です。
360度カメラを購入し、撮影した写真を取り込む、そしてドラッグ&ドロップだけでVRコンテンツが作成可能です。
VRというと、ヘッドセットを装着して楽しむという印象があるかと思いますが、Webブラウザに埋め込んで配信すれば、大げさな装置がなくてもバーチャルリアリティの世界を楽しむことができます。最近では、Iphoneに簡単に装着できるツールもあります。
2番目に紹介した採用面接のコンテンツも、会社の採用ページに掲載すれば、特別なアプリなどをダウンロードしなくても、ユーザーはそのままブラウザから面接の模様を疑似体験できるというわけです。
このように、VRを作る環境も、楽しむ環境も、どんどん手軽になってきている現在。既存サービスを利用すれば、ツールやクリエーターなどをゼロから準備する必要がないので、予算的にも安心でしょう。
VRは実は身近な存在。環境は整ってきていますので、商品の良さやサービス、会社を知ってもらえるきっかけに、ぜひ活用してみてください。