2018.08.13

池袋国際空港発!バーチャル海外旅行、人気の理由とは?

心に残る体験を創るために誕生、ファーストクラス×VRコンテンツ

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  • ゲームなど、エンターテインメントの分野で活用が進んでいるVR。池袋にある「FIRST AIRLINES (ファーストエアラインズ)」では、リアルの場とVRコンテンツを掛け合わせた、“バーチャル海外旅行”という新たなサービスを開発・提供し、話題を集めています。

    このサービスの提供を通してどんなニーズが見えてきたのか、そしてプロモーションでの活用例について、運営を手掛ける FIRST AIRLINES 代表 阿部宏晃さんにお話を聞きました。

    目次

    体験価値を高める装置としてのVRコンテンツ

    阿部宏晃さん
    FIRST AIRLINES 代表 阿部宏晃さん

    ――バーチャル海外旅行が楽しめる「FIRST AIRLINES」。ホームページには、東京・池袋にあることから、「池袋国際空港」と記載されている点にも遊び心を感じますね。

    阿部

    海外旅行というのは、空港に到着した瞬間から、旅行へのワクワク感が高まりますよね。ということは、“旅行は空港から始まる”とも言えると考え、池袋国際空港と名乗ることにしました。ですからFIRST AIRLINESでは、入口の扉を開けるとすぐに、チェックインカウンターがあり、搭乗手続きをします。その先の空間にはファーストクラスの座席があり、添乗員のおもてなしと機内食、そしてVRコンテンツによる旅行体験と、たっぷり2時間ほど、味わうことができます。

    ――リアルの場とVRコンテンツを組み合わせて、海外旅行を疑似体験するというのは、ありそうでなかったアイデアだと思います。このサービスを作ろうと考えたきっかけは、何だったのでしょうか?

    阿部

    誰にとっても羽田空港は、ワクワクする場所です。それは、飛行機という非日常的な乗り物にこれから搭乗する高揚感と、まだ見ぬ新しい場所への期待感から来るものだと考えました。その“ワクワク感”をいつでも体験できる場を作りたいと思い、生まれたのが FIRST AIRLINES です。

    ――飛行機に乗る。旅行に出掛ける。そこにある高揚感を取り出し、バーチャル体験として届けているのですね。このサービスを開発する際、最も意識したことは何ですか?

    阿部

    生み出したいと思ったのは、“未知のワクワク感”です。そのときに着目したのが、普通の人はなかなか乗る機会のない“ファーストクラス”でした。やはり、乗れるなら誰もが乗ってみたいでしょうし、たとえ擬似体験でも自分なら体験したいと考えました。そこで、海外から本物のファーストクラスの座席を仕入れ、機内における楽しみのひとつである、機内食をも用意。さらには制服を着た FIRST AIRLINES のクルーが本格的な機内サービスを提供することで、より臨場感のある疑似体験の場を作り出しました。

    阿部

    VRもそのなかで、『体験価値を高めるひとつの要素』として採用しました。よくVRコンテンツについて取り上げられますが、私たちのサービスは、空間をも含めたバーチャル海外旅行が主であり、VRありきで組み立てたものではありません。

    ――“VRありき”のコンテンツも多いなかで、それを主に据えなかった理由は何ですか?

    阿部

    VR自体は現在、決して珍しいものではありません。となると、VRをツールとしてどう使うかが重要になってくるのではないでしょうか。結局、人を感動させるのは、人だと私は思っています。そう考えると、VRは主にすべきではなく、あくまで体験価値を向上させる装置であるべきだと考えました。

    高齢者のニーズにマッチしたバーチャル海外旅行

    ――では具体的に、「FIRST AIRLINES」では、どのようにして体験価値を高めているのでしょうか?

    阿部

    リアルだけでも足りないですし、バーチャルだけでも足りない。両方を上手く組み合わせることで、効果を最大限に高めることができると考えました。たとえば離陸の際は、機内(室内)に効果音と映像を流し、さらに座席も振動するようにしています。そうした疑似離陸体験をお届けしてから、VRコンテンツによる旅行体験を楽しんでもらう。身体と五感に働きかけ没入感を高めています。

    ――食も体験のひとつです。提供している「機内食」にもリアルにこだわっているそうですね。

    阿部

    はい。よりリアルな疑似体験を追求し、機内食はシェフによる手作り。行き先(全6箇所)に応じて内容も変更しています。たとえばフランス・パリ行きではキャビアを使ったオリジナルコースを、イタリア行きではフォアグラを使ったオリジナルコースを提供しています。また機内で楽しめるドリンクは、アルコールを含め、各種取り揃えています。

    ――細部までこだわられているのが伝わってきますが、お客様の反応はいかがですか?

    阿部

    アンケートを実施し、お客様の反応、ご意見をもとに、いまも常にアップデートを重ねています。たとえばVRによる映像体験は当初、4分ほどだったものを、“もっと見たい”というご要望から、現在は15〜20分ほどに延長。今後もアップデートを予定しています。機内食も以前のケータリングから、現在では施設内のキッチンでシェフが調理したものを提供しています。そうした施策の結果、お客様の満足度も向上し、現在は8割前後の方が『満足』とアンケートに回答してくださっています。

    アンケート結果
    FIRST AIRLINESの独自アンケート調査結果(2018年5月分)。左・サービス全体:約8割がおすすめしたいと回答、右・機内体験:約8割が満足と回答

    ――「FIRST AIRLINES」を訪れているユーザーのニーズとは、どのようなものなのでしょうか?

    阿部

    おかげ様で、口コミなども手伝い、満席が出る回も増えてきました。若い方は、新しいサービスを体験したいという興味から参加される方が多いですね。

    それと、70歳以上と思われる高齢のお客様に非常に多くご利用いただいています。歳を重ねると、足腰が悪くなり、気軽に旅行にも行けません。昔を思い出したい、旅行がしたいという思いで、当施設を訪れるお客様が多くいます。これは、FIRST AIRLINES としても当初は想定していなかったニーズでした。もしかすると、高齢者の方はデジタルに抵抗感があると思っている人もいるかもしれませんが、当施設のお客様を見ていると、そんな風に感じることはほぼありません。

    予約がすぐに埋まる!企業とのコラボレーションで集客効果を発揮

    ――“バーチャル海外旅行”は独自性も高いコンテンツです。企業とのプロモーションの事例も既にあるそうですね。

    阿部

    はい、大手旅行会社とコラボレーションし、サービスを提供しています。もともと私としても、バーチャル旅行体験で完結せずに、このサービスをひとつのパッケージコンテンツとして他社のサービスと連動できないか、と考えていました。そんなときに大手旅行会社の方から、コラボレーションのお話をいただきました。
    そのひとつとして、月に2回、当社が提供するバーチャル海外旅行の世界一周の便(VRの映像)と旅行会社が提供する実際の世界一周旅行の説明会を組み合わせたものを実施しているのですが、毎回すぐに予約が埋まるほどの人気です。その背景には、誰もが一度は憧れる“世界一周旅行”が、現在では手の届く価格になっていることもありますが、VRによる360°の映像コンテンツの訴求力が、インターネットに掲載されている画像・映像に勝ることもこの説明会の人気を後押ししている理由のひとつのようです。

    ――「観光」という視点で考えると、企業だけでなく、自治体とのコラボレーションにもニーズはありそうですね。

    阿部

    まさに現在、自治体の方と連携し、現地の映像+旅行説明会を実施するプランを準備中です。多くの自治体はいま、地方創生を掲げ、観光に力を入れています。そこで地域の魅力を最大限に伝える方法として、VRコンテンツなどにニーズが生まれているように感じます。写真だけでは伝わらない“現地の魅力”というものがあります。旅行(観光)とVRの親和性というのは高く、“実際に行ってみたい”と思わせてくれる力、それがVRにはあるように思います。

    また、『Time Travel便』というのがあるのですが、現実では絶対に体験できないコンテンツを作れるのもVRの強みだと思います。このTime Travel便は、ニューヨークのスタートアップ・Timelopper社と共同で制作したもので、今後さまざまな可能性を感じています。

    ――最後に。今後の展望をお聞かせください。

    阿部

    “目の前のひとりをワクワクさせたい”。その思いはいまも変わらずにいます。事業を大きくすることよりも大事にしている思いです。一部ダウンコンバートされるものの、現在のVRの最高画質は4K再生です。しかし将来的に画質が向上し、リアリティが増せば、お客様の満足度も上がり、笑顔もさらに増えていくと信じています。また、訪れたお客様から、最後に拍手をいただくことがあります。そうした姿を見ると、喜んでもらえたのかなと思えますし、素直にうれしいですね。今後はさらにアップデートを重ね、より多くのお客様の笑顔を創出していけたらと思っています。

    VRコンテンツを体験のブーストとして捉え、活用した「FIRST AIRLINES」。“目の前のひとりをワクワクさせたい”との思いで立ち上げたサービスは、自治体や企業のニーズにもフィットして活動のフィールドを広げているようです。

    Written by:
    BAE編集部