2020.08.31

令和時代の音楽の聴き方、音楽を活用した広告プロモーションで重要なポイントとは?

Z世代・ミレニアル世代に対して、音楽と広告が目指す関係

10代~20代は音楽から受ける影響が大きく、いつの時代も新しいヒットを生む世代です。音楽は企業やサービスのイメージブランディング、ファントライブの囲い込みに適していますが、SNS、サブスクリプションサービスが登場して以降は、ヒットの生まれ方も変化しており、ファンクラスタも細分化しています。
つまり、これまでの広告プロモーションの組み方、タイアップの方法から変化していく必要があります。今回は、電通テックにて音楽を主軸としているプランニングチームが、令和時代の音楽×広告プロモーション方法について考えていきたいと思います。

目次

-デジタルネイティヴ世代の音楽の聴き方

ミレニアル、Z世代は、CD購入よりもインターネットやサブスクリプションで聴くことが主流であるため、音楽を入手するスピードが手軽で速いと言われています。無名のアーティストを誰かが見つけてSNSで紹介、共有したことによってヒットが生まれることがよくあります。テレビには出ない、ランキングの10位以内には入りませんが、SNSやフェス、YouTubeなど、Z世代やミレニアル世代が活用するインターネットのプラットフォームで絶大な人気を誇るアーティストが山ほどいます。マスメディアに出るアーティストだけが人気者という時代ではありません。

米津玄師は、元々YouTubeやニコニコ動画で絶大な人気を誇る歌手でした。コロナ禍で音楽ストリーミングランキング上位に入っている瑛人という男性ソロシンガーはTikTokをきっかけにブレイク。素性を明かさない、りりあ。という女性シンガーソングライターはYouTubeをきっかけにブレイクしています。若者世代の音楽の聴き方にインターネットは必要不可欠であり、このwithコロナ時代に更に加速していくでしょう。

プロモーションのポイント

TikTokのみならずオンラインでムーブメントが起こすことが、バズ・流行の大前提です。欧米では、あえてTikTokでバズりやすい尺の楽曲やTikTok映えするMVを作るマーケティング手法も主流になってきています。オンラインコミュニケーションと音楽の親和性はとても高く、企業プロモーションとのコラボレーションも今後拡大していくと思われます。

-若者世代のリアル×デジタル

ミレニアル世代、Z世代は、リアルに起きている楽しいをオンラインに乗せてより拡大・共有します。例えば音楽フェス。音楽と触れ合うリアルイベントのフェスティバルとデジタルを掛け合わせた成功事例を紹介します。

Z世代×リアル×デジタル

10代~20代に絶大な人気を誇る4人組ロックバンド04 Limited Sazabysとコンタクトレンズメーカーメニコンのタイアップ企画。
アーティストが名古屋出身で、メニコンも名古屋発祥という共通点をフックにメジャーデビュー間もない頃にタイアップを提案しました。その後数年かけてアーティストとクライアントの関係性を構築し、バンド初のCMタイアップソングの書き下ろしを実施。

バンド主催の野外フェスYON FESでは、憧れのバンドマンになりきってGIFアニメーションが撮影できるフォトブースを展開し1時間待ちの行列に。SNSにも多く投稿され、ファンからは初めてタイアップしてくれた企業として感謝のコメントが多く届き、Z世代が多いファンのエンゲージメントを向上することに成功しました。

プロモーションのポイント

フェスやライブでのリアルイベント施策では、デジタルとのブリッジが重要になります。商品サンプリングだけではなく、SNSに投稿したくなるようなコンテンツを用意することで、楽しかった思い出の一部として印象づけることができます。アーティストやフェスティバルは既にイメージが形成されているので、ブランディングに最適です。

-音楽×広告=ファンが重要

アーティストのコアファンに寄り添うことで、ブランドのコアファンに

音楽はファンコンテンツです。タイアップはコアファンがコアターゲットになります。コアファンに響かなければ、ブランドは波及、浸透しません。そのため、商品のファンになってもらう&自分ゴト化してもらうというフェーズが適しています。
特に若手アーティストは、まだCMで多用されていないため、ファンたちは企業が起用してくれた!という喜びがあり、企業・ブランドのコアファンになりやすいです。アーティストと広告という関係性は、ファンに寄り添うことで良い相乗効果を発揮します。
Z世代の若者は、YouTubeやNetflixなど自分で選択して広告をスキップできる環境で育っており、誰かがレコメンドするもの「お墨付き」には影響されますが、CMやプロモーションではそう簡単に動きません。“私の推しをこんなに大切にしてくれる企業ならファンになろう”と思ってもらうことがポイントです。

また、音楽プロモーションではクリエーティブは重要なポイントです。音楽は情緒的なものなので、ファンやリスナーに刺さる化学反応(ファン心を掴むデザインや演出)が起きたとき、人の心に響かせることが可能です。そのため、プランナーやクリエイターは、アーティストや音楽のバックグラウンド、ストーリー、コンセプトを理解している必要があります。

-コロナ時代の音楽

コロナによって大打撃を受けている音楽業界ですが、YouTubeなどの配信プラットフォームを利用して、家に居ながら楽しめるエンタメコンテンツの提供が始まっています。過去のライブ映像から、アーティストの自宅でのパフォーマンス配信など今だからこそのレア映像も。オンライン飲み会との相性も良いので、アルコールを用意したりフェス飯を再現して中止になったフェスを疑似体験するなど、オンラインライブの楽しみ方は広がっています。しかし、このような楽しみ方が続くのもおそらく長くはありません。
音楽ライブ、フェスティバルがこれまで通りに開催されるのは、おそらくコロナが完全に収束した後とされている中で、音楽業界全体が試行錯誤している状況です。音楽業界の外側にいる私たち電通テックができることは、一般的なバーチャルイベントへの協賛のみならず、音楽を活用したデジタルプロモーション展開や、インタラクティブコンテンツ、新しい楽しみ方を共同で開発していくことです。withコロナ、更にアフターコロナの頃に、再び音楽業界やフェスティバルが企業と組むことで活性化できるように試行錯誤しながら日々研究しています。

電通テック若者プロモーション専門チーム(若者消費行動研究チーム)が MUSIC  Promotionをお手伝い

<3つのご提供価値>

1:ミレニアル/Z世代に関する膨大な知識と知見

若手を中心にした特別チームの編成を行い、当事者として日々トレンド/事例を収集。
音楽業界やフェスティバル案件を多く担当し、生きた知見が電通テックには数多く蓄積されています

2:ミレニアル/Z世代の若手人材による、リアルで確かな企画力

ミレニアル/Z世代の真っ只中にいる若手プランナーチームが、音楽業界の一歩外から見た視点で企業様の商品・サービスとベストな音楽タイアップをプランニング。若者に刺さる企画立案を行います。

3:音楽タイアッププロモーションを成功に導く、独自のソリューションやネットワークのご提供

電通グループが持つ広いネットワークを活用し、メディア、イベント、コンテンツ、テクノロジーとの掛け合わせによって、さまざまな方向のソリューションをご提供します。

酒井 絵梨子

コンテンツビジネスデザイン部

海外の音楽プロモーション事例等を研究しながら、日本の音楽業界と広告プロモーションの在り方を考えています。 趣味はライブ鑑賞、海外の音楽フェスを巡ること。
受賞歴:The Globes、TECHNE IDアワード

石原絵梨

UXデザインプランニング2部

クラフトワークに優れ、アーティストや音楽性を活かした世界観作りが得意。CDジャケットからMVのクリエーティブまで横断的に手掛ける。
趣味はフェスと美術館巡り。アイスランドのフェスまで足を運ぶ。

Written by:
BAE編集部