2017.02.24

AIの未来をカガクする(第3回)

そもそも、AIって一言でいうと?

こんにちは!電通テックです。

前回、AIによる自動読み取り機能「Cam-D_はがき読み取り」にご協力いただいた経緯についてお話しいただく中で、AIの可能性を示すキーワード「デジタルレイバ―(仮想知的労働者)」がついに登場。最終回である今回は、この言葉を紐解きながらAIの未来について語っていただきました!


電通テックのキャンペーン・デジタライゼーションサービス「Cam-D」について
詳しくはこちらhttps://www.dentsutec.co.jp/digital-marketing/cam-d/

渡久地 択 Taku Toguchi/AI inside 株式会社CEO。2004年より人工知能の開発をはじめる。以来10年以上にわたって継続的な人工知能の開発と資金力強化を行い、2015年同社を創業。現場の最前線でサービス開発と技術戦略を指揮し、さらなる飛躍を目指している。

福田 勝 Masaru Fukuda/1998年電通テック入社。食品、日用品メーカーやチェーンストアのデジタル、CRM、リテールマーケティング領域におけるデータ分析、施策プランニングに携わる。現在は豊富な実務経験をもとに、データ活用によるビジネス開発、ソリューション開発を行っている。
デジタル・マーケティングセンター データ・マーケティング部 デジタル・マーケター。
渡久地

日本は昔から、この先どうやっても労働人口は減ってくる、だけどGDPはあげないといけない、と言われていますよね。でも私たちは、AIを用いれば労働人口はむしろ上がってくるのではないかと思っています。

福田

その根拠が、先ほどお話しいただいた、「デジタルレイバー」でしょうか。

渡久地

そうです。1人ひとりにデジタルパートナーがいて、定型業務を自動化してくれる。そして空いた時間は、次の仕事に取り掛かって更なる成果を挙げていくもよし、プライベートを豊かにすることももちろんよし。
先ほど労働人口が上がると話しましたが、それは単純に労働者が増えるというわけではなく、自動化できる仕事はこなしてくれるデジタルレイバ―の増加と、それによる個人の生産性向上、という意味です。実質労働人口、とも言えるでしょうか。

福田

働き方改革が重要視される時代の中で、「デジタルレイバ―」とは、改めて良いキーワードをいただきました。御社の中で、何かすでに取り組まれていることはありますか?

渡久地

いま取り組んでいることとしては、Robotic Process Automation (RPA)、ホワイトカラー業務の効率化・自動化の取り組みです。お付き合いのある8千人規模の会社を例にとると、業務課題を棚おろしした結果、ルーティンの入力作業など部署によっては70%もの業務を自動化できることが分かりました。今はAIによる自動読み取り(OCR)など、AIを活用した作業の自動化を推し進めています。

福田

働き方を変えていこう!ダイバーシティだ!と言っても単純に人を増やす、労働時間を減らすなど、どうしても表層的なものに目が行きがちですよね。

渡久地

そうですね、女性の活躍や在宅勤務のスタートなどがクローズアップされがちなのですが、もっと核の部分、そもそもの業務のオートメーション化ができないと働き方の自由度って出せないんですよね。
今後この分野は大手コンサルティングファームも参入してきますし、パートナーとの協業により事例を作っていきたいと思っています。

福田

お話しを聞きながら、私たちの会社でどんなことができるか、を考えてました。
会計や経費処理はもちろん、企画提案に必要なデータも、要件を入力すると自動で候補をサジェストしてくれれば、こで空いた時間をさらにアイデアを考えることに費やせそうですね。

渡久地

これからもAIの技術はどんどん進化していきます。たとえば今こうやって話していることも、リアルタイムで議事録になっていけば議事録係は不要になります。

福田

ミーティングの中で、気になったことを瞬時に調べてくれたり、あるアイデアに対してこういう過去事例があります!と次々と情報を表示してくれるようなデバイスがあったら盛り上がりますね。もっとこうしたい!と思うようにもなりますし。
ミーティング時間の短縮だけではなく、質もグッと上がるような気がしてきました。

渡久地

課題も多くありますが、そんな未来も着実に近づいています。

福田

本当に今ここでお話ししているだけでも、どんどん活用のアイデアが出てきますね。

渡久地

AIはある意味なんでもできると思います。だからこそ、「何をするか」が大事です。
どんどん新しいことが生まれてくる技術なので、エンターテイメント性の高いものものや、記事化されそうなものに手をつけがちです。
もちろんそこを否定するつもりはありませんが、私たちとしては働き方改革など社会的に意義のあるAIサービスを提供したいと思っています。

福田

お話しを伺う中で、本当にAIがそれこそ電気のように生活の一部になっていくためには、社会的に大きな意味を持つ技術として浸透していく必要があるように感じてきました。

渡久地

私達たちの企業理念として、“豊かな未来社会に貢献する”と掲げてます。AIサービスの開発や提案力、収益性など課題は山積みですが、一つずつクリアしていって、AIを通して真に社会に貢献できる企業になりたいと思っています。

福田

最後まで貴重なお話を聞くことができました。AIの基礎だけではなく、私たちがちょっと想像してなかったAI の可能性や御社の強い想いまで、プロモーションの領域をはるかに超えて、これからの社会のヒントを伺うことができました。
「Cam-D_はがき読み取り」のみならず、AIの分野で、引き続き御社と共同でプロジェクトができれば幸いです。
本当にありがとうございました。

全3回にわたってお送りしてきましたAI inside様との対談も、今回で最終回となります。いかがでしたでしょうか。AIが特別な技術ではなく、私たちにとって身近な存在になる時代がもうすぐ訪れると思います。その時、私たちの生活にどんな変化が訪れるのか。来るべき時代に向けて、知識を養い、着々と準備をしていこうと思います。記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございました。

(田代)

Cam-Dについてはこちら

Written by:
田代 祐介