これからの未来を描くであろう、最新トピックスをお届けする「さきトレ」。今回は、店舗や展示ブースのアイキャッチとして注目される、“空中に浮遊する”ディスプレイの特徴や活用シーンについてご紹介します。
取材協力:新日本創業株式会社
長く続くwithコロナ時代のなかで、店舗の在り方も変化。売る場所から、「ブランド体験の場」として再定義する動きがあります。
そこで重要となるのが、店舗演出。なかでもディスプレイは、ブランドの世界観や商品の特徴を伝える重要な手段です。しかし限られたスペースの中で、ブランドの価値を伝え、消費者に興味喚起することは容易ではありません。
そのなかで2019年末に発表され、大きな話題となったのが「空中に浮遊するディスプレイ」です。スニーカーを空中に浮かべた状態でディスプレイできる「Hypelev Levitation Display Stand」は、磁石を使い、商品を浮遊させているそうです。
実際に、空中に浮遊するディスプレイを前にすると、思わず二度見して、足を止めてしまうほどのインパクトがあります。事実、過去にBAE編集部では、新日本創業株式会社が扱う「Flyvision」というディスプレイケースに、驚きと感動を覚えた経験があります。
ハンガリーの企業が開発した空中に浮遊するディスプレイ「Flyvision」の仕掛けは企業秘密。磁石で浮遊させる仕掛けに比べ、表現の幅が広がっているのが特徴です。すでにクリスチャン・ルブタンなど、数多くの著名ブランドや高級ブティック、ホテルなどが採用しており、その活用事例は、「空中に浮遊するディスプレイ」の使い方の参考になるはずです。一部をご紹介しましょう。
店舗の入口は、「思わず中に入りたい」と思うVP(ビジュアル・プレゼンテーション)が設置されているものです。そこで効果を発揮するのが「空中に浮遊するディスプレイ」です。宙に浮いた商品は、人々の足を止めるだけでなく、写真を撮ってSNSに投稿するなどの情報拡散にも期待できます。
アフターコロナを見据えるならば、リアルイベントにおけるアイキャッチの重要性は、今後さらに高まることになるでしょう。空中に浮遊するディスプレイは、特別感を演出することに向いており、展示ブースの集客にも効果を発揮するはずです。
なお、基本はカスタマイズになるものの、「Flyvision」の場合、50cm×50cmのディスプレイケースで70万円からの見積もりとのことです。また展示品の入れ替えも有料ですが、可能です。
すでにアフターコロナを見据え、リアルコミュニケーションにおける体験装置として、「Flyvision」活用に関するさまざまな問い合わせが増えているとも言います。
アフターコロナの世界においては、人々は“会えなかった”分だけリアルを求め、店舗やイベントに足を運ぶ機会は増えると考えられます。そのときにどんな“おもてなし”を用意しているかは、空中に浮遊するディスプレイも含めた店舗演出において、非常に重要なファクターとなるのではないでしょうか。