2019.12.24

さきトレ|高精細&巨大化した「擬似ホログラム」が創出する新たな体験価値

ハプティクス技術によって、今後さらに表現領域は拡張へ

これからの未来を描くであろう、最新テクノロジーのニュースを先取りしてお届けする「さきトレ」。今回は、2018年の掲載以降、現在も多くの方に読まれている「3D空間×2D映像による“擬似ホログラム”」の最新動向をご紹介します!

高精細&巨大化によって、さらなる体験価値を創出

ホログラムとは、反射した光によって、生まれる立体表現のことです。

デバイスを使用せずに、遠くにいる人物などが突如空間に出現する。SF映画でよく目にする技術ですが、そもそも投影する素材の画質が粗ければ、陳腐なものになってしまう、という問題点がありました。

その課題を解決したのが、BAEで以前に紹介した、最新の「擬似ホログラム」です。これは、3D空間(現実世界)に、2Dの高画質CGを投影することで、限りなく3Dに近い“2.5次元の世界”を表現するものです。またこの記事は、現在も読み続けられている人気記事となっています。

同技術を使った筐体やコンテンツを提供しているのは、株式会社ネクスメディア。その後「擬似ホログラム」は、高精細かつ巨大化を実現し、さらなる進化を遂げています。

まず、非常に透過率が高い特殊コーティングガラスに、4Kクオリティ(以前はフルHD)の擬似ホログラム映像表現が可能となり、色や質感を含めてよりリアルな表現が可能となっています。

また高輝度モニターを使用することで、映像に深い奥行きが生まれ、これまで以上の立体感を演出。目の前の何もないはずの空間上に立体物が見える、という“擬似ホログラム”最大の魅力をさらに拡張させています。

加えて、新たに開発した大型機では表現サイズが拡大し、現在では縦または横、型の42.5インチのディスプレイに最大約90センチのホログラム映像を映し出すことができます。これによりダイナミックな表現や実際のサイズ感と近いリアルな表現が可能となり、新たな可能性を生み出しています。

では実際に、最新の「擬似ホログラム」の動画をご覧ください。

大型3DCGホログラムディスプレイ(縦長型)

表現領域が広がっただけでなく、センシング技術とホログラム表現を連携させることで、インタラクティブなコンテンツとしても活用可能となっています。

さらに2019年には、空間に浮かんでいるように見える立体映像をジェスチャーコントロールによって動かし、360度視点で見られるコンテンツも登場しています。たとえば、そこにハプティクス技術を組み合わせれば、触感との連動なども可能になり、“体感できるホログラム”としても利用でき、将来的には「サイズや触感までわかる」eコマースが実現できる未来もあるかもしれません。

今後、5G普及に伴い、センサーやハプティクス技術にリアルタイムで反応できるプログラムなどを開発。さらにピープルカウンターなどと連携させることで、ホログラム表現に対する注目度や効果を測定し、マーケティングツールとして活用することも視野に入れているそうです。

効果測定が可能となれば、情報解析をもとに属性に合わせたコンテンツ再生なども実現できるため、「最適なコンテンツを最適なユーザーに届けることができるホログラム」へとさらなるアップデートを遂げることになりそうです。

3DCGホログラムディスプレイとLeap Motionの連動によるジェスチャーコントロールデモ

さらなる進化を遂げた「擬似ホログラム」。大型サイズに対応したことで、表現の幅も広がり、実物に近いサイズ感で人や車などが登場するインパクトのある映像演出が可能となりました。さらに今後、ジェスチャーコントロールをはじめとする“体感できるホログラム”としての精度が高まれば、「場に体験価値を加える装置」として更に活用の幅が広がるでしょう。

Written by:
BAE編集部