これからの未来を描くであろう、最新トピックスをお届けする「さきトレ」。今回は、VRショッピングの課題を解決する「ABAL®システム」をご紹介します!
取材協力:株式会社ABAL
VRショッピングに存在した2つの課題「音声」と「決済」
新型コロナウイルスの感染拡大を機に、都市の仮想化「バーチャル渋谷」をはじめ、仮想空間(VR)活用に再び注目が集まっています。その最大の利点はコンテンツの自由度、そしてコンタクトレスであることが挙げられるでしょう。
しかしこれまでのVRは、デバイスの処理負荷を考慮し、実はさまざまな制限が課せられていました。特にVRヘッドセットを使用する形式のVRでは、スタンドアロンと呼ばれる単独プレイが主流であり、複数ユーザーで体験する形式でも、負荷の高い音声による対話機能を実装しない仕様で使われることが多い傾向にありました。
加えて、VR空間内で販売を行うバーチャルショップにおいても、事前に決済方法の登録が必要であり、決してユーザビリティは高くありませんでした。
この2つの課題を解決できれば、VR活用、特にバーチャルショッピングの可能性は拡張すると言えます。
各社が解決の糸口を模索するなかで、注目されるのがVRソリューション「ABAL®システム」です。体験者はVRヘッドセットを装着し、VR空間内に入ります。そして既存のVRプラットフォーム同様、アバターを使い、自由自在に歩き回ることができます。また、体験者とは異なる拠点から別の参加者がPCやスマートフォンを使ってVR空間に同時参加することも可能です。
「ABAL®システム」では、ボイスチャット機能を標準搭載しており、多人数での同時接続を実証実験中です。これが実現すれば、VR空間上で自由に、かつ多人数とのリアルタイムのコミュニケーションが可能となります。
「ABAL®システム」は、VR空間活用を最大化する基幹システムです。これまでハードルの高かった、多人数による同時ボイスチャットアクセスだけでなく、VR空間とリアルを連動させた、決済機能も備えています。事前登録不要で、VR空間とリアルをつなぐ、ショッピングプラットフォームは、気軽に多数の商品に触れ、ストレスなく購入できる高いユーザビリティを実現しています。
VRとリアルをつなげることで広がる、新たな活用法
加えて、「ABAL®システム」では、VR空間に階層構築できることも大きな特徴のひとつです。これまでのVRといえば、平面の仮想空間でした。しかし独自の空間圧縮技術によって、立体空間を構築することで、“リアルでは同じ場所なのに”異なるVR空間へと移動することを可能とします。
これにより、さまざまなコンテンツ展開が可能です。たとえば、フロアごとに異なるショップが入居する構造にすれば、リアルの商業施設のような仮想空間をVR空間上に生み出すことができます。ユーザーは、VR空間上で3DCGデータによる洋服を見て、購入(決済)することができます。
また、リアル店舗への誘導を目的とした、ブランディングコンテンツをVR空間上で展開することも可能です。プロジェクションマッピングによる、オリジナル動画をVR空間上で届けたり、360°視野で楽しめる音楽ライブのようなコンテンツなども、展開したりすることができます。これにより、現実世界では、絶対に味わえない体験を仮想空間で届けることで、ブランディングやユーザーエンゲージメントの向上につなげることが可能です。
ここまで紹介した技術を活用し、地方と東京(離れた遠隔地)をVR空間で結び、接客や観光文化体験、商品案内などの「体験はVR」で行い、「商品の受け取り、決済はリアル」という次世代型の物産展もすでに開催されています。
さまざまなDXが進むなかで、リテール(ショッピング)の分野に関しても、テクノロジーを活用したこれまでにはない新しいカタチが生まれています。VR×リアルを組み合わせたショッピングもそのひとつです。現実世界では不可能なことを可能にするVR空間では、アイデア次第で、ブランド力を高めたり、ユーザーエンゲージメントを高めたりする効果も期待できます。今後もVR×ショッピングの可能性の追求、活用法に注目が集まりそうです。
- Written by:
- BAE編集部