私たちの生活の利便性を向上させるIoTやモビリティ。活用の際に通信技術と同様に重要視されるのが、各機器への給電システムです。スマホやスマートスピーカー、電気自動車など、どれも毎日使うには、現状ではマメな充電が欠かせません。この手間を面倒に感じる人は少なくないでしょう。
今後、通信と同様に、エネルギーの供給のワイヤレス化や自動化は実現するでしょうか。本年6月に配線やコードを使わずに磁界を利用して電子機器に給電する、画期的な技術(通称:どこでも充電部屋)を開発・発表して話題となった、東京大学大学院工学系研究科の教授・川原圭博さんと、笹谷拓也さんにお話を伺いました。
——先ごろ研究室から発表された、磁界を使ったワイヤレス充電技術は、工学分野はもちろん各種メディアでも大きな話題となりました。「どこでも充電部屋」とも呼ばれる、こちらの研究内容について教えてください。
——実装されれば、スマホやスマートスピーカーなどが自動で充電されるほか、照明などもコードレスにできるのですね。
——今回の実験で、安全かつ実用性の高い状態が実現したということでしょうか。
——このシステムが家庭に実装されると、暮らしにはどんな変化が起きるでしょうか。
——実現すれば、ライフスタイルや家事にまつわる時間の使い方なども大きく変わりそうですね。室内だけではなく、屋外でもワイヤレス充電は可能になるでしょうか。
——家電業界だけではなく、住宅メーカー等とも親和性が高そうです。電気自動車への充電などにも関わってくるでしょうか。
——満充電でも数十キロしか走れない電動スクーターなどは便利になりそうです。ワイヤレス充電は、モビリティ社会の変革をリードする技術と言えるでしょうか。
——その他のジャンルでも、ワイヤレス充電に関する研究は進んでいるのでしょうか。
——今日伺ったような充電の技術が社会へ実装・浸透するまでには、どのような課題が考えられるでしょうか。
効率化の実現と利用の拡大が見えてきたワイヤレス充電。電子機器や家電を中心としたIoTの進化に伴い、今後、より求められることとなり、さらに、パーソナルモビリティやドローンなどを活用した、モビリティ社会の形成にも大きく関わる技術と言えるでしょう。
今後は本格的な実証実験などによって、“コードレスな生活”のイメージの共有が進められると、ワイヤレス充電は身近な技術の一つとなり、私たちの生活の中に浸透していくでしょう。