2018.10.31

3Plans|気付かせ・動かし・繋がるために施策を回し続ける

デジタルマーケティングをはじめる人に聞いてほしい、3つのはなし 第3回

Photo by Morvanic Lee on Unsplash
この連載では、秋入社の方や、部署異動等でこれからデジタルマーケティングに関わる方、そもそもデジタルマーケティングって何なの?という方に向けて 「忘れちゃいけない大前提」、「困ったときに立ち戻れる道標」をお伝えしていきます。

第3回は、「3Plans」をテーマに、企業と顧客がより良い関係性で繋がり続けていくために必要な、「認知」・「獲得」・「CRM」という3つの施策についてお届けします。

目次

お客様はどのように“ファン”になるのか?

自分が担当する商品やサービスが多くの人に愛され、買われ続け、使われ続ける・・・。デジタルマーケティングに携わる全ての人にとって、それは夢のような状況といっていいでしょう。当然ながらその実現は非常に困難で、困難であるからこそ、日々私たちはデジタルマーケティングに取り組んでいるわけですが、では、その夢のような状況に少しでも近づくために、つまり、「お客様にファンになって頂く」ために、どのような施策が必要となるのでしょうか?

恋愛と同じように、お客様に“ファン”(=好き)になってもらいたいからといって、やみくもにアプローチをすれば良い、というわけではありません。まずはその商品・サービスのことを知ってもらう、興味をもってもらう「認知」というステップが必要です。そのうえで、実際に買ってもらう、使ってもらう「獲得」へと続きます。もちろん、たった1回でおしまい、ではなく、「獲得」をきっかけに継続的に関係を構築し、使い続けて頂くための「CRM※」を通して、お客様の“ファン”化へと繋がっていきます。

この「認知」「獲得」「CRM」を意識しながら施策を企画・実行することが大切で、その商品・サービスがもつ課題や、お客様・ターゲットの状況に応じて、「認知“施策”」「獲得“施策”」「CRM“施策”」の3Plansのうち、どの施策を打つべきなのかを検討していくことになります。

※CRMとは、「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」などと訳されます。企業が顧客と親密な関係性を築き、リピーターやファンへなった貰う手法・施策のことです。

施策を回し続けろ!

第2回で、見つけ出すべき、動かすべき顧客は、「ONLINE」と「OFFLINE」上の様々なメディア・サービスに触れながら、2つのライン(2Lines)を行き来し生活している、というご説明をしました。これは3Plansを検討するうえでも非常に重要で、それぞれの施策に有効なメディア・サービスを2つのラインから慎重に選択することが、より高い施策効果を生み出すことに繋がります。

例えば、デジタルメディアでターゲットに新商品を「認知」してもらい、店頭ではオマケの景品を新商品にベタ付けすることで「獲得」を後押し。景品のパッケージに記載されたQRコードからSNSをフォローしてもらい、SNS上でのコミュニケーションを通して「CRM」を継続していく・・・。といった事例は、誰しもが思い浮かぶ、3Plansの王道パターンと言っていいかもしれません。

さらに、第1回、第2回を通して、「1to1(One to One)」でのコミュニケーションを見据えた、顧客の“顔”を「見える化」するためのデータ活用の大切さについてもお話ししました。「認知」「獲得」「CRM」それぞれの施策から得られる、「ONLINE」「OFFLINE」それぞれの顧客データをしっかりと蓄積し、生かしていくことで、各施策の効果や効率はより良くなっていくはずです。

ある顧客の「認知」で得られたデータをもとに、「獲得」プランをその顧客向けにカスタマイズする。さらに「獲得」データをその顧客の「CRM」へ役立てていく。そういった顧客1人1人のデータを積み重ね、施策効果を分析・検証することで、次の新商品の3Plansをより良いものにしていく・・・。大変な道のりのようですが、“施策を回し続ける”ことが、より多くの“ファン”を獲得し、より良い関係性で繋がり続けるための何よりの近道なのです。

おわりに ―デジタルマーケティングをひとことでいうと?―

この連載では、「1to1(One to One)」、「2Lines」「3Plans」という3つのテーマで、これからデジタルマーケティングをはじめる方に向けて 「忘れちゃいけない大前提」、「困ったときに立ち戻れる道標」をお伝えしてきました。

第1回の冒頭でも触れた通り、昨今のビジネスに必要不可欠なこのデジタルマーケティングは、携わる多くの方がそれぞれの立場や担当する業務に応じて、業界メディアやセミナー、関連書籍から、日々目まぐるしく進化・変化する情報やノウハウのインプット・アウトプットを繰り返しており、やるべきこと、変えていくべきことが本当に尽きない業界です。実際の業務に取り組まれる中で、本当にその企画は正しいのか、この施策で問題がないのか、疑問や不安になったときは、ぜひ「1to1(One to One)」、「2Lines」「3Plans」を思い出してみてください。それまで気づかなかった落とし穴や、より良いアイデアが見えてくるかもしれません。

とはいえ、毎回毎回3つのテーマを思い出すのも大変なので、「1to1(One to One)」、「2Lines」「3Plans」のエッセンスが入った、「デジタルマーケティングをあらわすひとこと」をお届けして、本連載を終わりたいと思います。

「垣根ないあらゆる領域で」=「ONLINE、OFFLINEの2Lines」
「顧客を見つけ・可視化し」=「“顔”の見える化による1to1」
「動かす。そして繋がり続ける」=「認知、獲得、CRMの3Plans」

高橋 潤平

株式会社電通テック データドリブン・マーケティング室 デジタルマーケター

デジタルキャンペーンやオウンドメディアなどの企画制作・運用に従事した後、 現在はあらゆる顧客接点データから生活者一人ひとりとの 最適なコミュニケーションを支援するLINE活用サービス開発を行う。

LINE ビジネスコネクト活用プラットフォーム「1/0ワンゼロ」
SNSマーケティングサービス「SC121」

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高橋 潤平