様々な娯楽があふれる現代において、アニメ・漫画のプレゼンスは年々上昇しており、 いまや子供や一部のファンのみが楽しむものではなくなっています。
また新型コロナウイルスの影響で、リアルでの撮影が難しくなったことやタレントを起用することのリスクに敏感な昨今の潮流も相まって企業のプロモーション活動においても、アニメ・漫画作品の注目度は高まっています。 今回はそんなアニメ・漫画コンテンツを活用した、若者に“効く”プロモーションについてお伝えしていきます。
新技術による新たなエンタメ文化
ARやVR、5G通信といった技術の革新によって、アニメとリアルの世界はさらに近いものになっています。新技術を活用することで、体験者はより深くアニメや漫画の世界観を楽しむことができ、話題性もあることから、作品のもともとのファンをも超えた広がりが生まれてきています。
たとえば、某通信会社は「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」の一環で、人気SFアニメ作品とのコラボコンテンツの提供やSNSキャンペーンを実施しています。XR(AR、VR、MR等の総称)技術を駆使したこれらのコンテンツは、オンラインで作品の世界観をより深く体験できるということで話題になっています。
また、東京・池袋ではレコード会社や出版社などの様々なコンテンツホルダーが共同でLIVEエンターテインメント施設を開設しています。新たなLIVEエンターテインメントコンテンツの普及促進を目指し、アニメキャラクターやVTuberなどが参加するイベントが開催されており、人気が高まっています。
このような新技術を駆使することで、アニメや漫画コンテンツの世界観をより深く体験することができ、今後ますます加速するであろう通信技術高度化の波によって、新たなエンタメ文化が形成されつつあります。
プロモーションのポイント
新技術の活用事例は導入ハードルの高さなどから、イベントや常設型の施設などに多いのが現状ではありますが、体験に惜しみなく時間や手間をかけるミレニアル/Z世代の若者たちにとって、VR・ARを活用した深い体験コンテンツは非常に魅力的です。技術の高度化によって進化していくエンタメの形を追いかけていくことも今後ますます重要になってくるのではないでしょうか。
SNS漫画家のインフルエンサー化
SNSで誰もが気軽に漫画やイラストを投稿できるようになったことで、インフルエンサーのように数千~数万人のフォロワーを持つSNS漫画家が増えています。
SNSを活躍の場としている彼らは、ファンに直接作品を届けることでつながりを感じることができ、ファンも日々タイムラインで投稿を目にすることで親しみや愛着がどんどん深まっていきます。そしてその気持ちを誰かに伝えたくなって拡散の輪が広がり、エンゲージメントの高いファンコミュニティが形成されるのです。
また、SNSやWebサイト発の作品が書籍化や商品化、企業プロモーションへの起用など、SNS以外のメディアへと展開している事例も増えています。
たとえばInstagramで恋愛をテーマにしたイラストや漫画を投稿している人気SNS漫画家は、 Instagramの新機能を用いて漫画に音楽を乗せ、独自の世界観を演出するなどファンの目を引く工夫をしています。結果、多くの投稿に数万の「いいね」が付いており、特に女性層から高い支持を得ていることから女性用加圧インナーのPRにも起用されています。 また、某食品メーカー&コンビニチェーンがSNS漫画のタヌキとキツネのキャラクターを起用して実施したキャンペーンでは、商品のネーミングと絡めてキャラクターに赤と緑の法被を着せたわかりやすいビジュアルがファンの心をつかみ、彼らを中心としてSNS上の拡散・話題化につながりました。
プロモーションのポイント
もともと人気のあるBIGタイトルとのタイアップは大きな効果を見込めると思われますが、細かく生活者の心を掴むのであれば、ある特定のコミュニティやジャンルで強い影響力を持つSNS漫画を起用したプロモーションを展開する方策も有効といえるでしょう。
細分化する“推し”コミュニティ
ミレニアル/Z世代の若者たちは何に時間とお金を費やしているか、一つの特徴として「推し事・推し活」と言われるファン活動が挙げられます。
推しの対象は、アニメ・漫画などの作品そのものにとどまらず、さらにその中で「○○という作品の△△というキャラクター」など、推しの細分化が加速しています。
これは若者の自分らしさや個性を追求する意識、SNSを通じて同じ嗜好を持つ仲間たちとつながることに長けていることなどに起因していると考えられます。そして、それら共通の趣味でつながったコミュニティはマーケティングにおいても非常に大きな影響力を持つものとなっています。
たとえば、某菓子メーカーが人気アニメ・ゲーム作品のアイドルとコラボしたTwitterキャンペーンは、総勢52名のキャラクターを起用したことで各キャラクターのファンコミュニティの間で話題が広がり、大きな盛り上がりを見せました。自分の推しキャラを応援したいファン心理をとらえており、そこに自然に商品を入れ込んでいることで多くのファンに受け入れられたのだと言えます。またアニメ作品とのコラボカフェを運営しているCDチェーンでは、作品の世界観が楽しめるディスプレイやキャラクターの誕生日にバースデーメニューを提供するなど、推し活を最大限に楽しめる施策を実施しており、売上向上の促進に繋げています。
プロモーションのポイント
コンテンツごとにファンの推しポイントは異なります。
その作品への深い理解はもちろんですが、ファンがどういった要素に惹かれ、どのような気持ちでその作品を楽しんでいるのかを分析し、その心理をくすぐる文脈での施策設計を行うことが重要です。
アニメ・漫画活用 Promotionをお考えの企業様は電通テック若者プロモーション専門チーム(TEC若者消費行動研究チーム)にご相談ください
<3つのご提供価値>
1:ミレニアル/Z世代に関する膨大な知識と知見
若手プランナーがミレニアル/Z世代の当事者として、日々若者トレンド/事例を収集しており、数多くの知見が蓄積されています。また、電通テックは豊富なプロモーション実績によって多くのコンテンツホルダーとのパイプを有しています。
2:ミレニアル/Z世代の若手人材による、リアルで確かな企画力
ミレニアル/Z世代の真っ只中にいる若手プランナーチームが、コンテンツの世界観と企業様の商材をブリッジするストーリープランニングを行います。
3:漫画・アニメタイアッププロモーションを成功に導く、独自のソリューションやネットワークのご提供
電通グループが持つ広いネットワークを活用し、メディア、イベント、コンテンツ、テクノロジーとの掛け合わせによって、様々なソリューションをご提供します。幅広い業種企業とのタイアッププロモーション実績も多数。
五十嵐響介
株式会社 電通テック OMOプランニング室 プランナー
アニメ歴20年。テレビっ子。これまでのアニメ視聴本数は100本以上。
異世界・なろう、アクション、近未来、ロボット、ラブコメなんでも見る雑食系。
好きな作品は「エウレカセブン」「グレンラガン」など。アツい作品に弱い。
SNSネタも収集するトレンドウォッチャー。コンテンツ活用CPを多く手掛ける。
石垣光
株式会社 電通テック OMOプランニング室 プランナー
アニメ漫画好きのインドアプランナー。
最近ハマったタイトルは「呪術廻戦」。
アニメを観て続きが気になり、原作を一気読みするのがお決まりのルーティン。 原作ファンの気持ちを意識しつつ、作品と商材を結び付けていく販促ストーリーを考えます。
森紘一郎
株式会社 電通テック OMOプランニング室 プランナー
「SLAM DUNK」「HUNTER×HUNTER」など定番の名作はもちろん、 浅野いにお、松本大洋といったサブカル系漫画もこよなく愛する新人プランナー。
タイアップ商品のチェックなどジャンルを問わず、流行・ブームの種には常にアンテナを張っています。
宮本真優
株式会社 電通テック OMOプランニング室 プランナー
アニメや声優、乙女ゲームをこよなく愛する駆け出しマーケター。
フレッシュな視点で、乙女心に突き刺さるコンテンツを考えます。
- Written by:
- BAE編集部