2020.10.02

次世代を生きる、ミレニアル/Z世代が支持するSDGs活動とは?

若者の心をとらえたSDGsへの企業の取り組み

昨今、幅広く知られるようになった注目ワード“SDGs(Sustainable Development Goals-持続可能な開発目標)”。2015年に世界のリーダーによって決められた「2030年に向けての国際社会の共通目標」のことですが、次世代を生きるミレニアル/Z世代にとって無視できない存在となっています。

ミレニアル/Z世代は幼少期から「リサイクル」や「地球温暖化」といったSDGsの関連ワードを多く耳にしており、早期から社会課題に目を向ける機会を持っていました。

今回は、その7割越が「社会課題に関心がある」と回答したミレニアル/Z世代のSDGsに対する最新の動向をお伝えしていきます。(*1)
(*1)サステナブル・ブランド国際会議2019東京の調査より。ミレ二アル/Z世代の7割越が「社会課題に関心がある」と回答(2019)

目次

環境問題に関心を持ち、ゆるりと目を向ける若者世代はまさに「ゆるエコロジスト」

エコロジスト-自然環境保護の考えを持ち、行動する人-は、現代の若者の志向にピタリとあった言葉といえます。世界中のミレニアル世代を対象にした調査(*2)では、「世界全体に影響している最も深刻な問題は何か」という問に対し、約半数が「気候変動/環境破壊」と回答しました。また国内調査(*3)でも、15~29歳のSDGsを知っている人(約3人に1人)の中で、「気候変動に具体的な対策を」や「海の豊かさを守ろう」といった自然環境に関わる取り組みに関心が高いことがわかっています。
(*2)世界経済フォーラムの年度調査「グローバル・シェイパーズ・アニュアル・サーベイ2017」
(*3)朝日新聞社「SDGs認知度調査」(2019, 2020)


大手のカフェチェーン店やファストフード店がプラスチックから紙製のストローに替えたことは、複数のニュースに取り上げられ記憶に新しいですが、同時に若者の間で話題となった取り組みといえます。紙ストロー導入の背景に、海洋汚染により鼻先に突き刺さったプラスチックで、痛々しく苦しむウミガメの映像がSNSで若者を中心に拡散されるといったことがあり、若者のエコロジスト化を助長させました。紙ストローの実際の使い勝手は賛否両論あるものの、環境に配慮したこうした取り組みは、肩肘をはらずに身近な生活の中で環境問題に目を向ける“ゆるエコロジスト”な若者のレピュテーションを得やすい施策だといえるでしょう。

ポイント

社会的なコンテンツが口コミにより拡散されやすいミレニアル/Z世代は、SNSで気軽に情報サーチできることから、自分たちの将来の生活に関わる環境問題やそれに対する企業の取り組みに関して敏感です。企業自体が“エコロジスト”として自然環境保護に対する姿勢を見せていくことで、早期から「エコ」や「リサイクル」といった教育を受けているミレニアル/Z世代の若者たちの心をつかみ、今後のレピュテーションを得ていくことができるのではないでしょうか。

デジタルネイティブ世代では気軽にできる「デジタルチャリティー」がヒット

「社会課題への関心の高さ」は、前述したようにミレニアル/Z世代の大きな特徴の1つです。中でもデジタル機器に囲まれて育った若者世代にとって、PCやスマホを使って気軽に社会貢献できる施策(デジタルチャリティー)は魅力が大きいものです。

特定非営利活動法人 TABLE FOR TWO International が2015年より毎年実施している「おにぎりアクション(#OnigiriAction)」は、その手軽さとSNSを通して気軽に社会貢献できる仕組み―ハッシュタグを付け、おにぎり(購入したものでも、手作りのものでも可)の写真をSNSに投稿すると、1枚の写真投稿につき開発途上国の子どもたちへ給食5食分(100円)が贈られるキャンペーン―で、昨年は約30万もの投稿があり若者を中心ににぎわいました。こういったキャンペーンに参画することにより、大手飲料メーカーや自動車メーカーなどのスポンサー企業は、自社のSDGsに対する企業姿勢を示せるだけでなく、本キャンペーンで独自のハッシュタグを追加することで、商品購入やさらなる寄付を促進しています。中には、自社の「食品用ラップフィルムに書けるペン」を使って、おにぎりアクションに合わせオリジナルの「デコおにぎりキャンペーン」を開催するなど、若者の心をとらえる施策も見受けられました。

 

ポイント

PCやスマホで気軽に社会貢献ができるこうした取り組みは、デジタルネイティブであり、かつ社会貢献意識が高いとされるミレニアル/Z世代の若者に支持されました。企業の社会的責任が今後さらに一般化していく中で、企業の取り組みの1つとして、このような社会貢献活動にも目を向ける必要が出てくると思われます。彼らが幼いころより慣れ親しんでいるデジタルを使い、「社会のために何かしたい」というミレニアル/Z世代のインサイトをついた、このWin-Win-Win(ミレニアル/Z世代 - 寄付先 - スポンサー企業)が三方そろう施策は、これからの時流に合った取り組みとして今後も注目されるのではないでしょうか。

若者世代を筆頭に急成長している「シェアリングエコノミー」

“Sharing is Caring!”は「シェアすることは、思いやること!」という意味で、お菓子を分けるときやアイデアを発表するときなど、何かを「共有=シェア」するときに英語圏でよく用いられる言葉です。この「シェアケア」は、所有より共有に価値を見いだすミレニアル/Z世代の価値観とSDGsに合致したキーワードの1つとして挙げられるでしょう。

もし全世界の人々が、日本人の平均的な暮らしと同じようなボリュームで消費・生産を続けるならば、一年間で地球約2.8個分の自然資源が必要になる、というデータが算出されました。(*4)そのような問題が提起される中、「シェアリングエコノミー」という形態のサービスが伸びてきています。シェアリングエコノミーとは、「使われていないモノや場所などをインターネットを介し有効活用することで新しい価値を生むもの」で、若者に身近な例では洋服をシェアする「月額制のファッションレンタルサービス」が挙げられます。一部ではスタイリストが“自分に似合う”洋服を選んでくれるサービスも付いており、若者の間では特別な体験ができる買い物の新しい選択肢として、SNSを中心に口コミが広がりました。現在では洋服のみにとどまらず、似顔絵作成や恋・趣味のお悩み相談などのスキルのシェア、また自由に宿泊やイベントができる空間のシェアなど、幅広くシェアリングが行われています。「なるべく所有をしたくない」というミレニアル/Z世代の特徴もあいまって、所有物としてモノを購入するよりもお財布にやさしく、かつサービスを利用することによって生まれる新たな体験がこういったシェアリングエコノミーの成長を加速させています。
(*4)グローバル・フットプリント・ネットワーク(2018)

ポイント

既存の価値観を打ちやぶりモノやコトをシェアし体験を促進させることは、無駄な廃棄を減らし地球環境にやさしいだけでなく、ミレニアル/Z世代の「所有より共有」のニーズにマッチしているといえるでしょう。まさに地球や若者世代への思いやり=ケアを体現したシェアリングエコノミーのサービスは、これからさらに成長していくのではないでしょうか。

電通テック若者プロモーション専門チーム(若者消費行動研究チーム)が SDGs Promotionをお手伝い

1:ミレニアル/Z世代×SDGsに関する知識と知見

若手を中心にした特別チームが、世代当事者として日々SDGsに関連するホットなワードや最新事例を収集。
ミレニアル/Z世代をターゲットにした案件を含め、電通テックには生きた知見が数多く蓄積されています。

2:ミレニアル/Z世代の若手人材による、SDGsを軸とした確かな企画力

ミレニアル/Z世代の真っ只中にいる若手プランナーチームが、SDGs視点を核としながら企業様の商品・サービスの売上UPへもつながる企画立案を行います。

3:SDGsプロモーションを成功に導く、独自のソリューションやネットワークのご提供

電通グループが持つ広いネットワークを活用し、ミレニアル/Z世代と親和性の高い様々なソリューションをご提供します。
また持続可能な社会へ向けてつくられた電通テック発のオリジナル環境プロダクト「danbal(ダンバル)」の活用も、SDGsへの取り組みの発信の1つとしておすすめです。

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山端 真理

株式会社電通テック OMOプランニング室 プランナー

3匹の犬とともに、大自然の北海道で生まれ育った動物好きな道産子。SDGsの中でも野生動物に関わる自然環境保護に関心が高く、現在は日用品メーカーのESG案件も担当。

大木 佳奈

株式会社電通テック OMOプランニング室 デジタルマーケター

自然豊かな沖縄出身の、人一倍地球を愛している地球ラブ人間。一人一人の行動から地球環境は良くなると信じ、現在プラスチックごみを日常から出さないようにする取り組みに挑戦中!

Written by:
BAE編集部