経済発展が急速に進むアジア。10代の頃からインターネットに慣れ親しみ、新しい消費トレンドの牽引役である各国のミレニアルズのライフスタイルとは?
タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、シンガポール、中国の6か国の現地BAE特派員が各国の若者のデジタルライフをリレー形式でお届けします!
第3回は、クアラルンプール在住のBAE特派員のIfaahさん。大学を卒業後、マレーシアの大手通信会社に入社して現在はマネージャー職として働いています。いずれは独立して自分のビジネスを始めたいと考えながら、さらにNGO系の組織で社会的な活動にも取り組みたいという積極的なIfaahさんが、クアラルンプールの若者のライフスタイルを紹介します。
2017年に最もヒットしたサービスは、4月にスタートした自転車のシェアライド「O Bike」。公共の場所であれば、どこでも乗り捨て可能で、借りた場所にわざわざ戻さなくても良い点が気軽に利用できると支持されています。主な利用者は車の運転免許がない学生で、利用する際には無料のアプリをダウンロードして、デポジットとして通常はRM129(約3,470円)、学生の場合RM79(約2,120円)を支払う必要があります。アプリで自転車の場所がマップ上に表示されるだけでなく、「O Bike」のFacebookでも自転車の場所がわかります。自転車に乗る場合はQRコードでスキャンしてロックを解除する仕組みで、価格は15分間RM1(約30円)。ヒットの背景には、渋滞を気にせず移動ができることと、健康志向の高まりがあるようです。
マレーシア人が主にコミュニケーションツールとして使用しているメッセンジャーアプリのひとつがWhatsApp。Ifaahさんももちろん毎日のように家族や友人とのコミュニケーションに使用しています。特に「ボイスメッセージ機能」が便利で、彼女もよく活用しています。スマホに口を近づけてボイスメッセージを送信するだけで、いちいちテキスト入力しなくて良いため、メッセージ作成に夢中になって人や物にぶつかってしまう危険性もなく、目も疲れないと言います。日本では、メッセンジャーアプリは文字でのやりとりが多いですが、マレーシアではより合理的に、音声でのやりとりが浸透していました。背景には人前で一人で声を出すことへの抵抗が少ない民族性や、男女ともにおしゃべりが好きなこともありそうです。
スマホの機種ではこれまで、iPhoneとSAMSUNG GALAXYが人気だったマレーシア。GALAXYの方が価格が安いため、同製品を持っている人が多かったそうですが、2015年くらいから中国メーカーのスマホを所持する人が増えてきました。中国メーカーのスマホも品質が向上し、さらにiPhoneやGALAXYよりも安価で急速に浸透してきています。主なメーカーは、OPPO、Huawei、VIVO、One+、Xiaomiなど。IfaahさんもOPPOとXiaomiという中国メーカーのスマホを2台所有。1台は通話やインターネット閲覧用に、もう1台は動画閲覧とSNS用として使い分けているそうです。マレーシアではインターネット無制限使用プランを展開する通信会社はありませんが、「U mobile」に限ってはFacebook、Instagram、WhatsApp、YouTube、Twitterと、主要なSNSが使い放題のプランがあり、彼女も動画&SNS用のスマホは「U mobile」で契約しています。
大学を卒業して新卒で現在の通信会社に入社。マレーシアでは転職する人が珍しくないが、現在同社に勤めて6年目となる。日本旅行にハマっていて、年に2回日本に行くこともある。ボーイフレンドはいるが、まだ結婚は考えていない。
◆職業:大手通信会社のマネージャー
◆家族構成:両親、姉、妹(現在は妹と同居)
◆月収:月の自由裁量額がRM3,200(約86,000円)
◆普段の買い物場所:ホテルやテーマパークも擁する大型ショッピングモールのSunway PyramidやSuria KLCCへ友人とショッピングに行くことが多い
◆使用しているパーソナルデバイス:OPPO、Xiaome、Kindle、AcerのノートPC
◆将来の夢:独立して会社を設立すること。NGO系の組織でも働きたい